Liella!メンバーについてじっくり考えたい「桜小路きな子・米女メイ・若菜四季・鬼塚夏美」編

みなさん、こんにちは。

 

立て続けのブログ更新となります。

今回は『Liella!メンバーについてじっくり考えたい』シリーズの第3弾の更新です。これまでの記事はこちら↓

Liella!メンバーについてじっくり考えたい「澁谷かのん・唐可可」編 - よしのきららのブログ

Liella!メンバーについてじっくり考えたい「平安名すみれ・嵐千砂都・葉月恋」編 - よしのきららのブログ

 

第3弾となる今回は桜小路きな子・米女メイ・若菜四季・鬼塚夏美編です。

 

目次のようなもの

・澁谷かのん〜「才能」「挫折」にフォーカスした人物像〜

・唐可可〜可可にとってのLiella!〜

・平安名すみれ〜"グソクムシ"が主役に変わるまでの軌跡〜

・嵐千砂都〜対人関係の独特なバランス感覚〜

・葉月恋〜信念を曲げない強さと純粋さ〜

↓↓↓今回はここから

・桜小路きな子〜Liella!にきな子がいることの意味〜

・米女メイ〜"ファン"だったからこそのスタンス〜

・若菜四季〜四季の秘めたるポテンシャル〜

・鬼塚夏美〜人間としての夏美の強さ〜

 

 

  • 桜小路きな子〜Liella!にきな子がいることの意味〜

かのんたちが進級して2年生になった年に最初の1年生メンバーとしてLiella!に加入した桜小路きな子。出身が北海道であり、上京して結ヶ丘に入学してきた彼女ですが、最初の方の印象としてはまさしく「都会を知らない純朴な田舎娘」という感じの雰囲気を持つ子でした。1期生の5人はそれぞれの思いや事情を抱えつつも「一人一人が何かしらの特別な素質を持っているスーパースター集団」として描かれていたのに対し、きな子は「普通であること」アイデンティティのようにも感じられるところがあり、そんな彼女がLiella!に入ったとして1期生の5人にちゃんと並び立てるのか、そんなことを当初感じたように記憶しています。

実際、2期2話でスクールアイドル部に入部したきな子は2年生の練習メニューについていけず、一時的に練習メニューを軽くする方向に行きます。きな子が2年生5人に並び立つのではなく、2期生5人がきな子のレベルに合わせてしゃがみこんだようなカタチです。しかし、2年生の5人は1期の最後にラブライブの東京大会でSunny Passionに負けた悔しさから次は絶対勝ちたいという思いを抱いた状態で2期を迎えているわけですから、それで良しということにはできません。2期2話に関してはそこの「何を目指しているのか」の部分を再確認するという意味でも重要なエピソードだったと言えますが、結果的にきな子が決意を新たにしたことで再びLiella!は優勝に向かって走り出すことができたわけです。優勝を目指す"だけ"なら5人で続ける選択肢もあったかもしれない、結ヶ丘にスクールアイドルを根付かせようと新入部員を増やしたければ練習メニューを軽くした方が多くの新入部員に入ってもらえたかもしれない、そのいずれでもなく結ヶ丘にスクールアイドルを根付かせた上で優勝も目指したいというLiella!としての目標を明確にし、それに向かって走り出せたのは間違いなくきな子が1年生で最初の新入部員として入ってきたからでしょう。

そして、2年生5人と比べて何か秀でた素質や才能があったわけではないからこそLiella!の6人目のメンバーとしての加入に大きな意味があったということをここまで述べてきましたが、2期を通しての彼女の役割はそこで終わりではありません。ラブライブ!スーパースター!!』はその名の通りスーパースターであるLiella!の物語なわけですから、きな子もそのうちの1人であるということです。きな子に関しては、2年生5人にとっては「最初に出来た後輩」であり、やはりそのポジションは特別と言えます。中でも象徴的なのが、2期8話でかのんと出かけた時のきな子です。「かのん先輩とっすか?行くっす!行くっす行くっす〜♪」「かのん先輩とお出掛けっす。ルンルンっす〜♪」といった感じでかのんと出掛けるのを心から楽しそうにしているところが描かれていますが、先輩目線で自分とのお出掛けをこれほど素直に喜んでくれる後輩が可愛くないわけがありません。この時のきな子の視点がその後の「Chance Day, Chance Way!」のステージ場所を決めるヒントとして機能しているのもそうですが、Liella!にとってのきな子の存在が2年生5人と同じように「オンリーワン」の特別な存在になっていると言えるわけです。10話ではかのんと協力して作詞担当としても活躍するシーンも描かれており、2期を通してLiella!の一員として立派になっていくきな子の姿が描かれています。

 

  • 米女メイ〜"ファン"だったからこそのスタンス

Liella!に憧れて結ヶ丘への入学を決め、中学からの同級生・若菜四季の後押しもあり(結果的には双方で後押しし合って)Liella!への加入を果たすこととなる米女メイ。ラブライブ!シリーズではこれまでもスクールアイドルに対して元々憧れを持っていたメンバーが描かれることはありましたが*1、最終的に自分が入ることになるグループに憧れていたのはメイが初めてになります。つまり、シリーズで初めて「そのグループのファン出身者のスクールアイドル」が生まれたということです。メイに関しては「Liella!のファン」としての目線と「Liella!のメンバー」としての目線を両方持つ貴重な存在だと言えます。

「Liella!がいる学校だから」ということで結ヶ丘を選ぶくらいLiella!に強い憧れがあり、練習場所を眺めるだけで表情が緩み、ライブを見れば号泣するというLiella!オタクっぷりを序盤から見せつけてくるメイでしたが、一方でそんな自分の感情に素直になれず四季が動くまでは実際のLiella!メンバーとは頑なに距離を置きます。メイにとっては憧れのLiella!と自分も一緒に活動したいという気持ちがある一方で、「自分なんかではLiella!に入っても役に立たない」「自分がLiella!に入ることで四季が一人になるのも嫌だ」という気持ちもあり、Liella!に入る決心がどうしてもつけられなかったわけです。しかし、四季が実際に動いたことで結果的に四季も自分と同じ気持ちを持っていることを知ることができ、ようやくLiella!に入る決心がついたメイは1人のスクールアイドルとして奮闘していくことになります。印象的なエピソードとしては2期の5話で今後も動画を公開していくと話す夏美に対して「1年生と2年生で実力に差があるって、はっきりわかっちゃうよなって…」と語り、その後の6話では「Liella!の力になれないならスクールアイドルやるつもりはない。少なくとも私はな」と語っているところです。ここでは「Liella!の力になりたい」「そのためには自分たちの実力不足をなんとかしたい」という彼女のスタンスがはっきりと示されています。7話ではゲームに夢中になって作曲に手がつかないという恋からの相談を受け、メイなりに恋の役に立てるように動いたり、9話ではすみれの提案を受けて揺れ動くメンバーの中で「負けちゃったらどうするんだよ」と言って受け入れようとするなど、行動の基準として「Liella!の役に立つこと」に重きが置かれているのがわかります。

そんなメイのスタンスが一つの実を結んだエピソードが2期10話と言えるのではないでしょうか。ラブライブ!の東京大会に向けて特訓が必要ということで、9人全員できな子の実家のある北海道に行くことになりますが、メイは恋と同じ作曲チームとして作業を進めるところが描かれます。恋とは一緒にゲームの協力プレイをするくらいに打ち解けており、かなり信頼と期待をされていることも窺えます。可可と一緒にマルガレーテの発言に怒っているところもそうですが、メイは1年生の4人の中でも特に「Liella!の一員として」の感情を強く持っているような印象もありますし、東京大会の『Sing!Shine!Smile!』、そして全国大会の『未来の音が聴こえる』での9人一体となるようなパフォーマンスはメイ個人を掘り下げる上でも外せないポイントになっていると感じます。

 

  • 若菜四季〜四季の秘めたるポテンシャル〜

中学時代からの同級生の米女メイがきっかけでスクールアイドルに興味を持ち、自身のメイへの後押しから今度は"逆後押し"を受ける形でLiella!に加入することとなったミステリアスガール、若菜四季。中学時代はそんなに人と関わるタイプでは無かったとのことですが、高校では主にメイのための行動で自ら動こうとする場面が多く、見た目によらず積極的な性格の持ち主としても描かれています。また、虹ヶ咲の天王寺璃奈にも負けず劣らずの発明の天才でもあり、謎の機械や薬を次々と開発するような凄い技術を持っており、1年生の中ではひときわ「特別」な部分が強調されている存在と言えます。そうした部分というのはスクールアイドル活動においてもしっかりと発揮されていくことになります。

人格的な部分について触れていくと、彼女の思考の中心は「米女メイ」です。たとえば千砂都にとってのかのんであったり、すみれにとっての可可であったりなんかも非常に大きな存在として描かれているところはありますが、これらはあくまで「今の嵐千砂都」「今の平安名すみれ」にそれぞれ強い影響を与えた人物であるという描かれ方なのに対して、四季にとってのメイは思考の中心そのものです。2期1話の時点でスクールアイドル部への一歩を踏み出そうとしていたきな子を後押ししたのも、先述したような「メイのため」に見せた行動力の部分であり、さらに2期7話では最終的にのぼせてしまうほどにメイのことをずっと考えている様子が描かれていました。ようするに若菜四季という人物は常にメイのことを想って行動しているのであり、ありきたりな表現ではありますが「誰かのためならどこまでも頑張れる」というその「誰か」が四季にとってはメイであるということです。

そんな四季ですが、スクールアイドルとしてのポテンシャルは1年生4人の中では一番高く、2期8話では、芸能活動の経験もありダンスもそれなりにこなせるすみれが苦戦していた平均台の上で難なくバランスをとってみせたり、10話では千砂都直々に「ダンスが1年生では1番得意」と言われたりしています。ラブライブ!スーパースター!!の2期においては元々スクールアイドルとして活動をして注目を集めるようになっていたスーパーな2年生5人と、その背中を追いかけながら自分たちもスーパーになっていこうとする1年生4人の関係性がストーリー上の大きなポイントとなってきますが、四季に関しては元々スーパーな2年生5人に実力の部分で一番肉薄できており、度々言及されてきた「2年生と1年生の実力差」の部分を埋める上でのキーマンであると感じています。また、この部分に関しては単に設定上そうであるということにとどまらず、実際のライブにおける若菜四季役大熊和奏のパフォーマンスによって担保されている部分も大きいです。3rdライブ*2で見てきた中でも大熊和奏のパフォーマンスに関してはダイナミックな動きのダンスと安定しながらも伸びのある歌声でレベルの高さを感じましたし、それらはすでに1st・2ndライブなどで多くの場数を踏んできた1期生とも引けを取らないものだったと思います。

四季は元々素質の面に恵まれている上に、「メイのため」であればどこまでも頑張れるという性格の持ち主でもあり、3期で描かれる「今後」が非常に楽しみな子でもあります。それこそ四季がセンターを務める新曲なんかが出てくればそういった若菜四季の秘めたるポテンシャルが最大限に発揮されるような気もしますし、そうした曲が出た時にライブでの大熊和奏がどのようなパフォーマンスを見せてくれるかにも期待していきたいところです。

 

  • 鬼塚夏美〜人間としての夏美の強さ〜

当初は「マニーを稼ぐため」という目的でLiella!に接近するものの、彼女たちとの関わりの中で次第に夢を追いかけることの尊さを思い出し9人目のメンバーとしてLiella!に加入することになる鬼塚夏美。Liella!に近づいた当初の目的こそ下世話ではあったものの、2期1話では悩んでいるきな子に「やってもいないのに向いているかどうかなんてわからない」と言って発破をかけたり、エルチューバー*3としても再生数が伸びないなりに色々と試行錯誤を重ねている痕跡が見えたりと、素の性格の部分では決して悪いわけではないというのは伝わるようになっていたかと思います。そんな彼女の本質は「折れない努力家である」と個人的には感じています。

夏美に関しては、本格的に物語に絡むようになるのは(先述した1話のセリフのシーンを除けば)2期5話以降ということになります。最初はお金目当てでLiella!に接近しますが*4、自身と同じく「人気や知名度でお金を稼ぐ」ということに造詣の深いすみれ*5によってその目論見に気づかれてしまいます。他のメンバーはあまりピンときていないところもあったようですが、目的として語っていた「Liella!をプロデュースして知名度アップに協力したい」というのがむしろ手段で、本当の目的は夏美自身のお金稼ぎであるということが明かされてしまったわけです。こうして追い込まれてしまった夏美ですが、それでもLiella!を諦められず次の一手に出たのが「1年生3人の分断」です。そうして結果的に1年生4人で北海道まで行くことになったわけですが、そこから夏美は変わっていきます

元々Liella!の内部分裂を演出しようとして1年生3人を2年生から引き離した夏美でしたが、彼女たちと行動していくうちに少しずつ心境に変化が現れてきます。その変化を象徴するようなシーンが2期6話できな子が「夢」について語った後、PCの画面を見ながら「まったく、くだらないんですの」と言って投稿する動画のサムネを切り替えるところだと思います。この時点で夏美が「自身のお金儲けのためにLiella!を利用してやろう」という考えではなく、真っ当にLiella!の練習風景を取材して動画にしようという考えに切り替えていたことが窺えたシーンです。その後、千砂都からの提案に萎縮してしまっていた1年生3人に発破をかけたところは夏美が元々「夢」に対する真剣さや諦めの悪さを持つ人物だからこそ、あのような言葉の掛け方になったのだと思いますし、それ以降は1年生3人と夏美で協力し合いながら練習風景を撮っていくところが描かれており、この時点で既に夏美の気持ちは「スクールアイドルとして3人と一緒に夢を見たい」という方向に固まっていたような気がします。直接勧誘をしてきたのはかのんですが、これはかのんが「そういう言葉」をかける能力に長けた人物だからであり、夏美の心を動かしたのはそこまでの1年生3人もそうであるということです。

閑話休題。この2期6話が象徴的ですが、Liella!の1年生(2期生)は2年生(1期生)と比較しても「4人1組」感が強く、同学年のメンバーで一緒にいることが多い印象です。スーパースターの1期は「一人一人の才能と個性」に強くフォーカスしていたのに対し、2期で描かれた2期生に関する部分は「4人集まった時の一体感」に強くフォーカスしている感じもあり、そこが「個」を重視する1期生と「集団」を重視する2期生の描写の違いなんじゃないかなと思ったりしています。閑話休題おわり。

結局、かのんの勧誘を受けてLiella!へ加入することとなった夏美ですが、6話挿入歌である「ビタミンSUMMER!」ではいきなりセンターを務めあげます。同じくかのんに直々の勧誘を受けたすみれは、その後可可に「センターにはすみれが相応しい」と言ってもらえるまでセンターには立たなかったのに比べると、あっさりとそこに到達したという感じもありますが、これは先述の通り夏美は元々諦めが悪い性格で、スクールアイドルになるまでにもエルチューバーとしていろんなことに挑戦していたことからもわかるように精神的にタフであることの証左だと思います。

 

  • おわりに

ここまでLiella!のメンバー9人分について個人的な解釈に基づく人物像の掘り下げを行ってきました。書いていく中で9人にそれぞれの個性や人格、考え方のようなものがあると感じられましたし、やはり自分はラブライブ!スーパースター!!という作品がそういった部分について真摯に描いている作品だからこそこれだけ好きになれたんだと思います。スーパースターのアニメは現状2期まで終了しており、3期の制作が発表されている段階です。3期では9人とそれに加わる3期生がどんな物語を紡いでくれるのか、非常に大きな期待を寄せていますということを記した上でこの記事の締めとしたいと思います。見てくださった方は最後までお付き合いいただきありがとうございました。それでは、また。

*1:無印では花陽が、サンシャインではダイヤとルビィが該当

*2:自分は宮城1、千葉1・2、大阪1、東京1、埼玉1・2日目に現地参加、宮城2、東京2日目を配信視聴

*3:ユーチューバーのようなものだと思われる

*4:お金目当てといってもLiella!から巻き上げたり騙し取ったりするわけではなく、Liella!の知名度を自身の動画の広告収入に利用しようと考えていた

*5:すみれ自身がそうしているわけではなく、ショウビズの世界の基本的な考え方として認識しているということ