虹ヶ咲5thライブについて感じたことを

みなさん、こんにちは。

昨夜放送されたスーパースターの2期最終回の余韻が(いろんな意味で)凄いですが、逆に頭を整理するのにちょうどいいタイミングと思ったので、先月の10日、11日に東京ガーデンシアターで、17日、18日には武蔵野の森総合スポーツプラザで行われたラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会5thライブ『虹が咲く場所』についてこの1ヶ月間くらいで考えていたことを書き出していこうと思います。

 

  • ライブ内容についての雑感

個々のキャストのパフォーマンスについてはライブ直後にツイートしたのであまり触れませんが、今回のライブは(いろんな人が言っていますが)1つの「節目」と感じるような内容だったと思います。実は今までの虹ヶ咲のライブは、毎回出演者の顔ぶれがちょっとずつ違っていて、「アニメ1期コンセプトだから栞子はお休み」とか「ゲームコンセプトだから侑は不在」とかで、スクスタもアニメも含めた「虹ヶ咲」という大きなくくりで見たときに「全員揃ったことがなかった」んですよね。ここで初めて13人揃ってのライブができた。スクスタとアニメが「12人+1人の同好会」のストーリーとして合流し*1、ある意味ではそのどちらの要素も含めたようなライブだったと感じています。

 

スクスタ、アニメ、その他の媒体も含めた「虹ヶ咲」というシリーズとしての1つの到達点がこの5thライブにある、個人的にはそのように見ています。

 

  • ある意味では「原点回帰」

この点に関していうと、やはりずっと個人的には感じていた「1stライブが至高だった」、裏返して言えば2nd〜4thライブに対して感じていた「物足りなさ」「寂しさ」のような感情とようやく(完全にとは行かないまでも)決別できそうな感じもしています。1stライブは9人と「あなた」の同好会のライブで、当時の虹ヶ咲においてはこれが「完全体」でした。

ところが2ndライブでは10人と「あなた」の同好会のライブでしたが新型コロナの影響で会場は無観客、つまり「あなた」がいない状態でのライブに、3rdライブではアニメ1期に出てきた9人と侑はいましたが、アニメで出番のなかった栞子は出演がかなわず、4thライブでは12人と「あなた」のライブで今度は侑がいない形となりました*2

このような感じで、虹ヶ咲のライブでは毎回どこかしらに「あの子はいないんだ…」というような引っかかりがあったことも事実で、ライブの内容自体はたしかに楽しいのですが、純粋な気持ちで楽しみきれない自分がいたというのも否定できません。

5thは出演者の欄にキャラクターとキャストの個別名が記載されておらず、さらに楠木さんのこともあってか、ライブが始まる前までは「本当に純粋な気持ちでライブを楽しめるのだろうか」という不安がかなり大きくなっていました。しかし、ライブの1曲目である『Colorful Dreams! Colorful Smiles!』が始まり、ちゃんと「12人」でステージに立っているところ、さらには要所要所で侑役の矢野さんが登壇して会場のファンを前に見せ場を作っていたところを見て、「ああ、この景色がずっと見たかったんだなあ…」と感慨深くなっていました。

ようするに、1stライブの時と同じく「完全体」の同好会を見られたことへの嬉しさだったり感動だったりで、自分にとっては「当時の純粋に楽しんでいた気持ちを取り返した」という意味での「原点回帰」となりました。

 

  • 5thライブと「アニガサキ」と「スクスタ」

5thライブに関しては侑役の矢野さんの出演があったり、そもそもアニガサキの2期放送後で初のナンバリングライブということもあり、「アニガサキのライブ」という見方が一般的だと思います。実際に、セトリとしても前半パートは完全にアニメ2期の流れに沿っており、アンコールパートでもアニメ曲のカップリング曲が多く披露されたりと、「アニガサキのライブ」としての色が強いものになっています。

個人的にはそうした見方も基本的には間違っていないとは思いますが、一方でこのライブ内容をもって「アニガサキこそ虹ヶ咲における"正史"の作品だ」という見方をするのはかなり行き過ぎているとも感じます。

まずはガーデンシアター公演で『繚乱!ビクトリーロード』の直後に披露され、繚乱で温まった会場のボルテージをさらに高めていったR3BIRTHの『MONSTER GIRLS』はスクスタ発の楽曲ですし(そもそもアニガサキではまだR3BIRTHはパフォーマンスしてない)、武蔵野の森公演でこれまでの虹ヶ咲のシリーズとしての歩みを振り返った映像の後に披露された『永遠の一瞬』は7月末にスクスタのストーリーで出てきたばかりの楽曲です。こうした楽曲たちをしっかりと外さずに披露してきたことは「スクスタも虹ヶ咲においては重要な存在」ということを示しているとも言えますし、そもそもこれまでの虹ヶ咲の積み重ねてきた歴史においてスクスタの占めるウエイトというのはとても大きいわけですから、5thはそうした歴史の部分にも向き合った内容のライブだったと感じられます。

 

  • さいごに

5thライブに関しては、大元のコンセプトとなっているアニガサキの2期はもちろんのこと、それ以外のスクスタやキャストによるライブの積み重ねをかなり大切にしていた印象で、このタイミングでこういうライブをできたことが個人的にはとても良かったと思います。今のラブライブ界隈では、「アニガサキが至高でスクスタは駄作」とか、虹ヶ咲ではないですが「スーパースターの脚本が悪い」とか、そういう◯◯は良いけど◯◯はダメみたいな話をするオタクがすごく多い印象です。

それらは個人の意見なので、「批判をするな」「ダメと言うな」のようなことを言うつもりは一切ないですが、先月開催された5thライブに関しては「アニガサキもスクスタも大事な虹ヶ咲が積み重ねてきた歴史の1つなんだ」という意思を強く感じられるものでした。ここで個人的に言いたいのは、合う/合わないとか評価できる/できないみたいなのがあることは仕方ないですが、ひとつひとつの展開に対してきちんと向き合っていけば、今回の5thライブのようにシリーズ側もしっかりと応えてくれるということです。「期待していたのに裏切られた」となるオタクももちろんいるとは思いますが、信じてついていけばどこかで必ず良い景色を見せてくれる、虹ヶ咲の5thライブを通して僕自身はそんな確信を得ています

*1:ストーリーの流れとしては「別の話」だが、シリーズとしての展開でようやくこの部分の歩調を合わせられるようになったという意味

*2:さらに4thに関しては事情的に仕方ないとはいえ、楠木ともりが自身のソロ曲のみの出番であり実質的に11人の場面も多かった